エマニュエル駐日大使が与那国島訪問 台湾有事にらみ最前線に布石か
エマニュエル駐日米大使が17日、沖縄県与那国町と石垣市を米軍機で訪問した。台湾から約110キロにある日本最西端の与那国島を米大使が公式訪問するのは初めてで、民間の与那国空港を米軍が使うのも、沖縄の日本復帰以降、国土交通省や県が把握する限り初めて。台湾有事を念頭に、中国をにらんだ自衛隊の「南西シフト」の最前線で米軍の足場を確保するための「布石」とみられる。
大使は同日午前、在沖米軍トップのターナー四軍調整官とともに米軍機で与那国空港に到着。島の西端にある「日本最西端の碑」を訪れ、糸数健一町長とともに台湾を望む東シナ海を見渡した。陸上自衛隊与那国駐屯地や地元漁協なども訪問し、島民らと交流。その後石垣島へ移動した。
大使は報道陣に「抑止力は与那国にとって重要。これは日本の戦略的ビジョンにも盛り込まれ、米国の戦略と相互補完するものだ」と述べた。
与那国島では2016年、南西シフトの先駆けとなる駐屯地が開設。2022年11月の日米共同訓練の際には、島も初めて訓練地になった。糸数町長は、島の防衛のためには米軍の訓練参加はやむを得ないとの立場をとる。
一方、沖縄県は米軍の緊急時以外の民間空港使用を自粛するよう要請しており、玉城デニー知事はこの日「大変遺憾」とコメントした。