大阪の工務店がパンビジネス 「なんであかんねん」の反骨心

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福岡龍一郎

カンサイのカイシャ ここがオモロイ!

 素材にこだわり過ぎています。国産の小麦やバターを井戸水でこねて、パンにしています。食パンは1日に100斤、売れる日もあるそうです。営むのはパン屋ではなく、住宅づくりを本業とする「野村工務店」(大阪府交野市)です。なぜ、工務店がパンを?

 「……話すと長くなりますで」。同社の設計士の川岸康男さん(59)に理由を尋ねると、そう切り出された。

社長に呼び出されて・・

 今をさかのぼること約15年前、川岸さんらはベトナムの首都ハノイにいた。「自然との共生」を掲げ、木材をふんだんに用いた家づくりが得意。家具などの買いつけに、よくベトナムを訪れていた。ある日、商談を終えて料理店に立ち寄り、出てきたのは麺の「フォー」。「うまいんやなあ」。野村健二社長(69)が麺をすすり、うなった。

 数年後、川岸さんは社長に呼…

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