深刻な後発薬不足 原薬の輸入団体トップが語る特定国への依存リスク

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 新型コロナウイルスインフルエンザが流行するなか、製薬企業の不正などもあって薬の供給不足が続いている。なかでもジェネリック(後発薬)と呼ばれる安価なものが深刻だ。要因は国内だけでなく海外にもあり、薬の有効成分である原薬が手に入りにくくなっているケースもある。原薬の輸入商社でつくる日本薬業貿易協会の藤川伊知郎会長に、課題などを聞いた。

 「薬と聞いて思い浮かべるのは錠剤やカプセルなどの製剤だと思います。製剤は有効成分である原薬と添加剤でできています。このうち原薬は原料から中間体と呼ばれる化合物を経てつくられています。日本の後発薬企業は原薬を外部から調達するケースが多く、海外に依存している状況です」

 「厚生労働省が2023年に公表した調査によると、後発薬の原薬の約60%を輸入に頼っています。このうち、輸入してそのまま使われる原薬の製造企業を国別で見ると、約21%が中国、約17%がインド、次いで韓国、イタリアと続きます。韓国やイタリアの原薬も、その原料を中国やインドから調達しているため、中国やインドへの依存度はさらに高いとみられます。こうした国への依存度が高まった背景には、大量生産するための設備やエネルギーの有無、有機合成や薬学、品質保証品質管理ができる人材の豊富さ、価格の安さなどがあります」

 「特定の国や企業に依存した…

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