私のオススメ読んでみて お金払って貸す図書館、全国に広がるワケ

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三宅梨紗子
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 私設図書館で本棚を持ち、好みの本を並べて貸し出す「本棚オーナー制度」が全国に広がっている。自ら料金を負担して本棚を借り、オーナーになる魅力とは――。

 東京都江東区富岡八幡宮と深川不動堂に挟まれた下町情緒あふれる地に5月1日、私設図書館がオープンした。壁一面の本棚は細かく区分けされ、それぞれオーナーの個性やこだわりがにじむ。

 ある一角には、昭和史の漫画とともに魚の見分け方の本が並ぶ。オーナーで会社経営の瀬尾真一郎さん(49)は、「記憶」をテーマに掲げる。魚を食べる人が減り、食文化が変化しているとし「忘れられたものをもう一度思い出すきっかけに」との思いを込める。

 本作りの職人から少女へ、子どもから母へ、戦争体験者から若者へ。「こころつなぐ本だな」がテーマの一角には「書き手の想(おも)いを読み手のお心にお届けします」と記されたカードもあった。

 ほかの棚にも、建築や科学、航空に子育てなど異なるジャンルの本が並び、「ぼくが面白いと思った本です」「みなさまがホッとできる 幸せになれる文庫でありますように」といったメッセージが添えられている。

 私設図書館「エンミチ文庫」は、高齢者向けのデイサービスや学童保育が入る複合施設「深川えんみち」に誕生した。運営するNPO法人理事長の押切道子さん(47)は「多世代が集まる場だからこそ、本を通じた新たなコミュニティーをつくりたい」と語る。

97歳の男性は児童文学や漫画を手に……

 オーナーは月額1500円か…

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この記事を書いた人
三宅梨紗子
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
福祉、多文化共生