“伝説のヘルパー”にケアされた認知症の夫 「僕は捨てられた」とも

有料記事それぞれの最終楽章

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それぞれの最終楽章 認知症の家族をみとる(7)

スウェーデン福祉研究者 藤原瑠美さん

 私が週1回、夜間大学院に出席する間、東京都大田区のわが家で1人で過ごさねばならない認知症の夫をケアしてくれたのは“伝説のヘルパー”藤原るかさんだった。私と名前が1字しか違わない彼女とは福祉関係の会合で知り合い、2017年秋から夫が他界するまでの約2年間、お世話になった。

 1990年代前半から公務員ヘルパーとして働き、介護保険導入後は民間事業所に所属したベテランの介護福祉士で、「介護ヘルパーは見た」(幻冬舎)などの著書がある。現在はホームヘルパーの劣悪な労働環境と人手不足は国の責任だとして、国を相手取って損害賠償を求めて裁判をしている原告3人の1人だ。

 るかさんに対して「この人はさすがだな」と、私は何回も感じた。

 例えば初めて介護にやってき…

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