遊覧ヘリが不時着、3人重傷 上空でエンジン不具合か 熊本・阿蘇

城戸康秀 杉浦奈実
不時着した遊覧ヘリコプター=加久雅之撮影
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 13日正午ごろ、熊本県阿蘇市黒川の空き地に遊覧飛行中の小型ヘリが不時着し、パイロットと乗客2人の計3人がいずれも重傷を負った。国土交通省航空事故と認定し、運輸安全委員会が航空事故調査官3人を14日午後、現地に派遣する。

 国交省航空局や熊本県警阿蘇署によると、ヘリは4人乗りのロビンソン式R44Ⅱ型。民間動物園「阿蘇カドリー・ドミニオン」の敷地から飛び立ち、中岳の火口付近を遊覧飛行する10分間のコースを運航中だった。戻る際に後部のローター付近から異音がして、エンジンの回転数が落ちたため空き地に不時着したという。

 強めの接地で、50代の男性パイロットは背骨が折れる重傷。乗客の中国籍の30代の男女も腰や胸の骨が折れる重傷だった。阿蘇広域消防本部によると、全員会話はできる状態だったという。

 ヘリを運航する匠航空(岡山市)によると、パイロットは自衛隊出身。阿蘇の遊覧飛行では事故機を含めて3機を運用し、運航前後に点検・整備し、法定点検は岡山でしているという。現場近くの特別養護老人ホームの男性職員は「ふだんより近くを飛んでいるとは思ったが、まさか不時着しているとは思わなかった」と話した。機体が地面にたたきつけられるような大きな音は聞いていないという。(城戸康秀、杉浦奈実)

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