日銀総裁、円安発言に苦心 4月会見で円急落、首相会談後に軌道修正

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神山純一 岡林佐和

 日本銀行の植田和男総裁が、円安が物価に与える影響をめぐって市場との対話に苦心している。4月の記者会見では「影響は限定的」としていたが、最近は、過度な円安には利上げで対応する可能性も示唆した。会見を機に急速な円安が進んだことから、軌道修正を図ったとみられる。

 「投機筋のいい材料にされてしまった」

 財務省幹部は4月末、外国為替市場で約34年ぶりの円安水準となる1ドル=160円台をつけたことに、こう漏らした。念頭にあったのは4月26日の植田氏の発言だ。

 植田氏はこの日、金融政策の…

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