【名人戦を写真で】第3局に勝利し、記者の質問に答える藤井聡太名人

佐藤圭司
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藤井聡太名人(21)=竜王・王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=に豊島将之九段(34)が挑戦している第82期将棋名人戦七番勝負第3局(朝日新聞社、毎日新聞社主催、大和証券グループ協賛、日本空港ビルデング協力)は9日、東京都大田区羽田空港第1ターミナルで再開し、2日目に入った。藤井名人が竜を作るなどの戦果を挙げ、さらに攻勢を強めている。

 藤井名人の2連勝で迎えた本局。後手番の豊島挑戦者が「雁木(がんぎ)」という陣形に組み、戦型は相居飛車の力戦調となり、藤井名人が「棒銀(ぼうぎん)」という作戦で積極的に攻勢を見せた。対して、豊島挑戦者は1日目午後、34手目に1時間47分、40手目に2時間13分の大長考。豊島挑戦者の時間の使い方が変調との評判で、副立会人兼解説者の佐々木勇気八段(29)は「苦しい長考。(1日目指了図では)豊島挑戦者が辛抱する展開。攻め倒されないよう、しっかり指さなくてはならない」と話していた。

 9日朝、羽田空港周辺は曇り空。対局室の窓から見える滑走路は濡れて見えた。午前9時の対局再開に先立ち、立会人の佐藤康光九段(54)が封じ手を開封。1日目午後6時50分に藤井名人が封じていた45手目は▲1六角だった。攻めをさらに厚くする狙いで、▲2三歩とともに有力視されていた手だ。佐々木八段は「▲2三歩も有力で、どちらを選ぶか難しい。ただ、藤井名人は角の使い方がうまいので▲1六角と予想します」と記者に語っていた。

 再開後、藤井名人は攻めに繰り出した右銀を、相手の金と交換し、さらに竜を作ることにも成功。佐々木八段は「名人が大きな戦果を挙げました。この後は、1六に打った角を軸にした攻めを組み立てるのでは、と予想します。豊島挑戦者は粘りを見せていますが、玉型も不安定で、差を詰めるのは難しいかもしれません」と話した。(佐藤圭司)

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