こうの史代さん、アンジェラ・アキさんが語る「この世界の片隅に」

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構成・増田愛子

 絵を描くのが好きで、ちょっとおっちょこちょい。優しい心をもつ「すずさん」が、今度は舞台に登場する。広島の漁村に生まれ、結婚を機に軍港の町・呉にきた女性を主人公に、太平洋戦争下の人々の日常を細やかに描いた、こうの史代さん作の漫画「この世界の片隅に」がミュージカルになる。こうのさんと、劇中に流れる楽曲の作詞・作曲を担当したシンガー・ソングライターのアンジェラ・アキさんが語り合った。

すずさんの物語、ミュージカルに

――アンジェラさんは舞台に関わる前から原作のファンだったそうですね

アンジェラ 私は昭和の後半、3方を山に囲まれた徳島県の田舎で育ちました。家族や親戚、近所の人のコミュニティーを体験しているので、漫画のストーリーの細部まで大好きなのはもちろん、描かれている人と人のつながり方、ぬくもりや優しさに共感しました。

こうの ミュージカルにという話をうかがった時は、ちょっと内容が重いので、歌や踊りが合うのか。短編が重なり、長い作品になっている漫画を2、3時間の舞台にしてまとまるのか。ちょっと心配というか、「大丈夫かな」とは思いました。

ミュージカル「この世界の片隅に」の音楽づくりの依頼を受けた時、脚本がしっくりこなかったら「断ろう」とさえ思っていた、というアンジェラさん。後半では、こうのさんと、創作にかける思いについても語ってくれました。

 ――ゴーサインを出された決…

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