静岡の新知事方針、リニア着工を左右 JR東海「楽観的になれない」

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細沢礼輝
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 リニア中央新幹線の東京・品川―名古屋は2027年の開業を断念し、早くても34年以降の見通しとなった。静岡県川勝平太知事が首を縦にふらず、10年かかるとされる静岡工区の工事に着手できていないためだ。新しい知事がどう判断するかで、さらに開業が遅れるのかどうかが大きく変わることになる。

 4月17日に東京都内で開かれたJR東海の定例社長会見。川勝氏の辞職表明後、丹羽俊介社長がマスコミの前に立つのは初めてだったが、感想や新知事への期待を問う質問に「コメントする立場にない」と繰り返した。

 なおも食い下がる質問には「静岡工区の一日でも早い着工に向け、地域の理解と協力を得られるよう、双方向のコミュニケーションを大切にしていく」と、従来通りの内容を返すだけだった。

 リニア工事の環境保全をめぐっては、国の有識者会議とは別に県が専門部会を設置。川勝氏が、有識者会議の議論を「不十分」として「県の専門部会で改めて課題を審議する」としていた経緯もあり、先行きは不透明だ。

 あるJR東海幹部は「静岡工…

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