娘に化けた「瀞のぬし」の悲恋、凹凸こする技法で描く 中学生も協力

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菊地洋行

 奈良、和歌山、三重の3県にまたがる北山川の峡谷「瀞峡(どろきょう)」を舞台にした絵本「瀞(どろ)のぬしさん」が完成した。絵を描いたのは、和歌山県新宮市立熊野川中学校の美術教諭・大江みどりさん(38)。教え子の3年生6人が背景の制作に協力した。

 「瀞のぬしさん」は、若い川漁師と、娘の姿に化けた川の主との悲恋を描いた物語。地元の方言・北山弁で表現した。登場人物はシルエット風に描かれているが、大江さんは「主役は瀞峡なので」と笑う。

 「橋杭(はしぐい)岩の立岩(たていわ)伝説 鯛島(たいじま)と河内島(こうちじま)」「クジラとモグラ おいの伝説」に次ぐ3作目。絵本は地元に伝わる民話を題材にして自然環境や地質などに興味を持ってもらおうと、南紀熊野ジオパーク推進協議会が3年前に企画し、大江さんが制作にかかわってきた。民話に登場するジオパークの見どころも写真や図で解説している。

 3作に共通する特徴は、岩や…

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