岸田政権の「聞く力」どこに? マイクオフ問題、与党からも批判

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 水俣病患者らの団体と伊藤信太郎環境相との懇談の場で、環境省がマイクの音を切り団体側の発言を遮った問題は、政府与党からも批判が相次いだ。

 「マイクを切るなんて言語道断だし、役所の思い上がり以外の何ものでもない。被害者をないがしろにしている」

 自民党三役経験者は環境省の対応を厳しく批判したうえで、伊藤氏の振る舞いについても「なぜ一言、『時間はいいから、最後まで話を聞こう』と言えなかったのか。それだけ問題意識も薄かったのだろう」と語った。

 岸田政権と距離を置く自民ベテラン議員は「国民の方を見ていないのが明らかだ。岸田政権の国民への姿勢という認識になってしまう」とバッサリ。政府内からも環境省の対応について「話を聞くために行っているのに、上から目線」(内閣府幹部)と厳しい声が出た。

 岸田文雄首相は、政治信条に「聞く力」を掲げてきた。閣僚が出席する会合で正反対の言動が飛び出したことは、政権の大きな痛手になりかねない。

 自民党派閥による裏金問題で…

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    駒木明義
    (朝日新聞論説委員=ロシア、国際関係)
    2024年5月8日20時37分 投稿
    【視点】

    国会議員が事務所で支持者と面会をしている時のこと。しばらくすると秘書が入ってきて「代議士、そろそろ次の予定がありますので」と告げますが、議員は構わず話を続けます。しばらくすると秘書がまた来て「代議士、そろそろお時間です」。議員「わかった、わ

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