古民家を母たちの居場所に ママ友3人が挑むクラウドファンディング

机美鈴

 子育て中の女性たちが古民家を母親たちの拠点にしようと、クラウドファンディング(CF)に挑んでいる。家事や育児を丸抱えして自分を犠牲にしがちな女性に、もっと「わがままでいいよ」と、お互いを応援できる仕組みを根付かせたいという。

 進めているのは、奈良県三宅町の丸谷あゆみさん、森田淳美さん、田原本町の吉田祐里さんの「ママ友」3人組。三宅町の町役場からほど近い、築50年以上の賃貸物件をリフォームする改修費用を募っている。

 母たちの居場所をつくりたい。そんな思いの裏にはそれぞれの事情があった。

 小3・年中・0歳児を育てる丸谷さんは結婚を機に保育士を退職。自分が育児で苦労するイメージはなかった。だが母乳が思うように出ず、一時は深く思い悩んだ。町外出身で両親の助けもなく、孤立を感じた時期もあった。

 一方、森田さんは訪問看護の事業所を立ち上げたが、2人の子どもは交互に風邪を引く。預け先がなく、事業所の隅に子どもを寝かせたまま仕事をする日もある。

 吉田さんはIT関連や広報など複数の職種を経験してきた。だが、保育所が定員いっぱいで入所できず、子どもが3歳になった今でも復職がかなわずにいる。

 保育施設や公的機関は利用できる枠や時間が限られる。もっと気軽に、子どもを預けたり、悩みを相談したりできる場所があれば――。

 境遇はバラバラの3人だが、母親同士でつながって支え合いたい思いは一致。保育士資格を有する丸谷さんを中心に、集える場所をつくろうと決めた。

 古民家の大家さんの理解に恵まれ、子どもたちが安全に過ごせるようにリフォームし、近々完成予定だ。まずは母子が遊びに来る「つどい場」としてスタートし、ゆくゆくは子どもの一時預かりや食事の提供などの事業展開を考えているという。

 プロジェクトの名前は「wellMe(ウェルミー)」。精神・身体・社会的によい状態を示す「well-being」の向上を掲げ、寄付を13日まで募っている(https://readyfor.jp/projects/138030別ウインドウで開きます)。目標は200万円だが、まだ及ばない。

 丸谷さんは「自分も母として成長しながら、支援をしていきたい。共感の輪を広げていければ」と話している。19日には一般向けに内覧会を開く予定。連絡はメール(wellme.miyake2024@gmail.comメールする)で。(机美鈴)…

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