クマ対策で町内業者タッグ 仕事少ない春夏に草木刈り緩衝帯
岩手県大槌町は4月23日、クマやイノシシがいる山林と住宅地の間に「緩衝帯」をつくるため、町内の土木・林業者など9者と連携する協定を結んだ。
今年度は野生鳥獣が移動経路にしている雑木林や雑草地など23カ所、計12・3ヘクタールを刈る。教育施設や住宅密集地の周辺を優先する。事業費は1500万円。
協定により、町は見積もりや入札の必要がなくなり、人数と作業時間に応じて費用を払うことで手早く作業が頼める。代表事業者の「おおつち百年之業協同組合」がとりまとめを担い、作業は連携事業者で人と時間を融通しあって行う。
町では2023年度、13件の人的・物的被害があり、今年もすでに出没情報がある。産業振興課の佐藤明係長は「業者が連携する枠組みは県内に例がない。工事が少なく労働力に余裕がある春から夏に向けての仕事としてもいい」と話している。(東野真和)