大忙しのGW 福島の果樹農家はリンゴの摘果で「繁忙期」

岡本進
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 大型連休の真っ最中、果樹農家は繁忙期を迎える。福島市飯坂町湯野の横江義洋さん(76)の果樹園では、1日からリンゴの摘果が始まった。

 つい1週間ほど前、満開だった白い花は、緑色の小さな実に変わっていた。リンゴは1カ所に5、6個の花が咲く。養分を集中させるため、実がついた中で一番大きなものを残し、あとは摘み取っていく。

 義洋さんの後継者として、今年から畑で働く英一さん(51)は「1週間ごとに次の作業になる。こんなにも人の手がかかっているのか、と驚くばかり」と言った。もともと地黒の顔は、日焼けしてさらに黒くなった。

 「サクランボも桃も、もう実がついている。そっちの作業が待っているから、リンゴを2週間ほどで終わらせないといけない。どの農家もこの時期は人手が足りず、『どっかに人いねえか、いねえか』という声ばかり」。そう話す義洋さんは、こう続けた。

 「子どもたちが小さいころ、ゴールデンウィークが嫌でね。休みが取れず、ゆっくり家族旅行なんて無理だったから、子どもたちにふびんで」

 地域ではリンゴの摘果の時期、最大産地の青森から10~20人ほど手伝いに来てもらう。

 「いまは家族だけで取り組んでいるが、昔はうちにも毎年2人が泊まりに来て、手伝ってもらっていた。青森からの人たちが泊まる『津軽寮』が地元にあった時代もある」と義洋さん。

 今年の大型連休は好天に恵まれているが、横江さんたちにとっては、それが悩みの種だ。雨が降らないと、実が大きくならないからだ。ホースをつなげた移動式のスプリンクラーを毎朝、1時間近くかけて広い果樹園に設置し、水やりする日が続く。(岡本進)

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