政権運営に国会利用、説明放棄…自民1強で進んだ「憲法軽視」

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 政権運営の都合のために、国会を利用したり、熟議を避けたり。そんな振る舞いが、岸田文雄首相をはじめ近年の自民党政権で目立つ。憲法が「国権の最高機関」と定める国会を軽んじることは、主権者の国民の意思を軽視することになる。施行77年を迎えた日本国憲法から考える。

 自民議員らが起こした裏金事件。首相は衆院の政治倫理審査会(政倫審)に「総裁として説明責任を果たしたい」と異例の申し出をして、2月29日に出席した。

 そこで立憲民主党の小西洋之氏は、3月6日の参院予算委員会で首相に対し、衆院政倫審での説明が不十分だとして参院政倫審にも参考人として出席するよう再三にわたり求めた。だが、首相は「知る限りの事実を国会でも申し上げてきた」と述べ、拒んだ。

 なぜ衆院のみの出席だったのか。周辺がその真意を明かす。

 「政府予算の年度内成立が狙…

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    蔵前勝久
    (朝日新聞政治部次長)
    2024年5月3日10時7分 投稿
    【視点】

    この記事に関連して、とりわけ危惧しているのが、法律の委任に基づき、政府が個別具体的な事項を定める「委任立法」の問題です。記事中では「国会審議を経ない『閣議決定』と事例として、「国会審議を経ずにすむ政省令を利用するやり方もある。法律の細部を政

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    星野典久
    (朝日新聞政治部次長)
    2024年5月3日10時32分 投稿
    【解説】

    記事を読むと、「知恵を絞って法やルールの隙間をいかにつくか」ということに権力者がとても熱心であることがよくわかります。「マキャベリズム」(目的のために手段を選ばず権謀術数を弄すること)と呼ばれるものです。永田町には「権謀術数」を使いこなす自

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