「森の賢人」は傷を自分で治す 独研究チームがスマトラで行動を観察

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市野塊
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 「森の賢人」とも呼ばれるオランウータンが、自ら薬草を顔の傷に塗って治療する――。そんな様子を、独マックスプランク動物行動研究所などのチームが観察した。これまでにも類人猿が自分を治療することは知られていたが、チームは「植物を使った積極的な創傷治療を初めて体系的に記録した」としている。

 類人猿による自己治療には、例えば、薬草をのみ込んで、体内の寄生虫を抑えようとする行為がチンパンジーやボノボ、ゴリラなどで確認されている。オランウータンも薬効のあるショウガを食べることが報告されていた。創傷に対しては、チンパンジーが昆虫を傷に塗ることが知られているが、治療の詳細はよく分かっていない。

 自己治療が確認されたのは、インドネシアのスマトラ島北部にある国立公園にすむ、スマトラオランウータンの雄の「ラクス」。1980年代に生まれ、40歳くらいと推定される。

薬草を口にふくみ・・・

 チームの報告によると、20…

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