第3回院生の30代医師、月3万円で「働かせ放題」 長時間労働に制限なし

有料記事1860時間 医師の働き方改革

枝松佑樹
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 西日本にある大学病院の30代の男性医師は、日中はほとんど、内視鏡を使った検査や手術に追われている。

 所属する消化器内科では、胃腸のがんやポリープに対し、年に数千件の検査と数百件の手術をおこなう。医局の中堅として、その主力を担う。

 終業後は、カンファレンス(会議)や勉強会に参加する。夜間や土日は、呼び出しに応じるオンコール当番に入り、月に数回は緊急手術もする。

 医局の同僚たちは、月の時間外労働過労死ラインの80時間を大幅に超えている。

 「自分も同じくらいの長時間労働をしているはずだ」

 2024年4月から「医師の働き方改革」が始まった。時間外労働に上限が設けられ、原則として年960時間(月80時間相当)、特例を申請すれば年1860時間(月155時間相当)だ。

 本来、労働時間を短縮するよう病院から指示があってもおかしくないが、病院がやっていることは逆だ。

 ほかの勤務医たちには、正確…

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