原則禁煙から4年、たばこが吸える居酒屋の謎 「法は建て付けだけ」

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小川聡仁
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 法律や条例が改正され、飲食店などが「原則禁煙」になって一部の愛煙家が戦々恐々として4年。だが、いまだ各地の繁華街には、店内で自由にたばこを吸える飲食店があちこちにある。一体、なぜなのか。

 「店内喫煙OK」

 東京都内を中心に居酒屋など約20店舗を経営する男性(43)はここ数年、多くの店の看板にこんな紙を貼っている。

 焼き鳥や水炊きなどを提供する店舗では、店内すべての60席で飲食しながら喫煙ができる。大手居酒屋チェーンが禁煙や分煙にかじを切ったことで、喫煙できることが店の売りの一つになったと感じている。

 改正健康増進法が2020年4月に全面施行され、学校や病院などの第一種施設は、屋内が完全禁煙になり、飲食店などの第二種施設では屋内が原則禁煙となった。都内では、さらに厳しい受動喫煙防止条例も全面施行された。

 たばこを吸わない人が意図せずに煙を吸ってしまうことを防ごうという狙いがある。

 改正法施行前から営業していた客席100平方メートル以下の小規模店が届け出ると、喫煙可能な店として営業できる。ただ、同条例がある都内では、従業員がいない場合などに限られるなど、あくまで例外的な位置づけだった。

 男性が経営する飲食店の場合、従業員を雇い、客席も広い。なぜ、店内でたばこが吸えるとうたえるのか。

「原則禁煙」でも吸える理由は?

 根拠になっているのが、同法…

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この記事を書いた人
小川聡仁
ネットワーク報道本部
専門・関心分野
人口減少、法律、経済、震災、商品