低圧室でトレーニング、意識不明だった57歳の競輪選手が死亡 栃木

高橋淳
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 宇都宮市のトレーニング施設で、「低圧室」を利用していた男性が体調を崩して意識不明の重体になっていた事故で、栃木県警は29日、男性が死亡したと発表した。競輪選手の渡辺藤男さん(57)で、県警は低圧室の使い方に問題があった可能性もあるとみており、業務上過失致死容疑での立件も視野に死因や経緯などを調べている。

 事故は12日午前11時ごろ、宇都宮市田野町の「リラクゼーションサロンVent(ベント)」で起きた。宇都宮中央署によると、渡辺さん本人から「急病です」と119番通報があり、消防が駆けつけると、スポーツ選手などが心肺機能を高める「高地トレーニング」をするため、内部の気圧を低くできる設備・低圧室の中で、渡辺さんと施設スタッフで経営者の妻(53)が意識を失った状態で倒れていた。女性は意識を取り戻したが、渡辺さんは重体で病院で治療を受けていた。

 署によると、低圧室は高さ約2・2メートル、幅約6メートルの円筒形。署は、事故当時は2人で中に入り、女性が操作していたとみており、設備の利用手順に問題がなかったか慎重に調べている。(高橋淳)

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