国会軽視を防ぐには 憲法の精神・少数派尊重を 赤坂九大教授に聞く

有料記事岸田政権

聞き手 編集委員・藤田直央
[PR]

 憲法は前文で国民主権を宣言し、41条で国会は国権の最高機関だと明記するが、近年は自民党政権の国会軽視が目立つ。どうすればいいのか。議会制民主主義と憲法の関係に詳しい、九州大学の赤坂幸一教授(憲法学)に聞いた。

 ――国会が機能するためには、何が大切なのでしょう。

 憲法が定める間接民主制が機能するには、国民の代表が自由な選挙で選ばれるだけでなく、国会で少数派の立場を尊重し、議論を尽くしたうえで多数決が行われなければなりません。公開の場で多数派の論拠がきちんと示され、少数派の批判を受けることが重要だからです。

 また、行政の役割の増大に伴い、憲法学では1980年代以降、国会の役割として、立法に加え内閣に対する統制に着目しています。内閣と与党が一体化する議院内閣制を監視、批判するという意味でも、少数派である野党が尊重されるべきです。

 ――説明責任が大事だと答弁しながら果たさない岸田文雄首相(自民党総裁)を見ていると、国会軽視が極まった感があります。

 国会は、国民の代表が活発に議論して国民に選択肢や情報を提供する政治のフォーラム(広場)です。野党との実質的な議論を避けようとする内閣・与党の動きは、憲法の精神に反します。

「自民1強」下で、事実と異なる答弁118回

 2012年に民主党から政権…

この記事は有料記事です。残り1176文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません