自民と組まず敗れた乙武氏 小池百合子氏と挑んだ「ファントム」払拭

有料記事春の衆院補選2024東京の政治

中村英一郎 太田原奈都乃
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 知名度抜群の小池百合子東京都知事から全面支援を受けながら、候補9人のうち5位に沈んだ。ベストセラー「五体不満足」の筆者、乙武洋匡氏(48)の選挙は、まさかの結果に終わった。衆院東京15区(江東区)での戦いを追った。

 「果たして自民党だけが悪いんでしょうか」。選挙戦中盤の20日、乙武氏は街頭演説で、「政治とカネ」問題を取り上げていた。同じ演説では、選挙区内で日本酒を配った他県の立憲議員のことも引き合いに出し、「政治とカネは、政党じゃなく政治の文化の話」だと訴えた。

 自民批判を繰り返し、各種情勢調査で優位に立っていた立憲候補とは、違いが明らかだった。

記者会見で過去に報じられた「5股交際」について反省を口にしながらも、「5人同時ではない」と否定。SNSで批判が集まる中、作り上げられたイメージを変えたい――。そうもがいた乙武氏の12日間の選挙戦とは。

 無所属で立候補した乙武氏は…

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    西田亮介
    (社会学者・日本大学危機管理学部教授)
    2024年4月29日15時32分 投稿
    【視点】

    今回の三補選のどの選挙区においても、出口調査から政治とカネ批判が強く影響した可能性が明らかになっている。自民党支持層においてさえ「さすがにお灸が必要」と捉えられた節がある。このとき、明確な「自民党の政治とカネ批判」を展開できなかったのは致命

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