飯塚事件とは何だったのか それぞれの「正義」描く映画、全国で公開

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大滝哲彰
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 冤罪(えんざい)の可能性があるとして、死刑執行後も再審請求が続く「飯塚事件」。警察や弁護士、地元の新聞記者らの目を通して、事件を見つめ直すドキュメンタリー映画「正義の行方」が27日、全国各地で公開された。

 事件は1992年2月、福岡県飯塚市で起きた。小学1年生の女児2人が登校中に行方不明になり、20キロ離れた雑木林で、遺体で見つかった。目撃証言や、導入されたばかりのDNA型鑑定などから、久間(くま)三千年(みちとし)・元死刑囚が逮捕された。

 捜査段階から無罪を訴えたが、2006年に最高裁で死刑が確定。DNA型鑑定の精度が問い直されていた08年、福岡拘置所で死刑が執行された。

 翌年、遺族が裁判のやり直しを求めたが、訴えを退ける判断が21年に最高裁で確定。現在、第2次請求審が福岡地裁で進んでいる。

 監督は、元NHKディレクターの木寺一孝さん(58)=23年に退局。死刑を巡る被害者遺族の無念や葛藤、加害者家族をテーマにドキュメンタリーなどを制作してきた。

 飯塚事件は12年9月、第1…

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