教員採用試験、さらに前倒し要請 来年から5月11日目安に 文科省

山本知佳
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 文部科学省は26日、公立学校教員の採用試験を来年から5月11日を目安に始めるよう、各地の教育委員会に要請した。今年の試験については従来より1カ月早い6月実施を要請していたが、さらなる前倒しを求めた。

 教員採用試験は従来、多くの自治体で7月に行われてきたが、倍率が低下。民間企業の採用活動が早期化するなか、昨年5月に文科省は、2024年の試験について、6月16日を目安に始めるよう要請した。同省の集計では、今年の試験は過半数の教委が、同日か、その前に試験を行うという。

 今回のさらなる前倒しは、他の公務員試験が6月に多く実施されていることを考慮したもの。5月に前倒しすることで、他の公務員試験の志願者にも、先にある教員採用試験を受験してもらおうという狙いがある。盛山正仁文科相も26日の記者会見で「できるだけ多くの人に試験を受けてほしい」と述べた。

 公立学校教員の採用試験の倍率は2年連続で過去最低を更新しており、志願者を増やすことが大きな課題となっている。(山本知佳)

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    内田良
    (名古屋大学大学院教授=教育社会学)
    2024年4月26日17時33分 投稿
    【視点】

    教員採用試験の志願倍率が1倍台前半の自治体もあるので、志願者増のための一手としては、ありうるのだろうと思います。ただ、試験で合格しても、その後に辞退者が多く出るかもしれません。 大学4年間の学びのプロセスについて、文部科学省がどのような全体

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