東京都北区のランドマーク「北とぴあ」改修計画見直し 物価高直撃で

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本間ほのみ

 東京都北区は25日、区内最大のコミュニティー施設「北とぴあ」の改修計画を抜本的に見直すと発表した。近年の資材価格の高騰で、改修費が当初見込んでいた100億円から190億円にはね上がることが分かったためだ。物価高の影響は、公共事業にも出始めている。

 北とぴあは1990年に竣工(しゅんこう)した地上18階、地下3階の高層ビル。ホールや飲食店などがある複合型施設で、コロナ禍前は年間約100万人の利用があった。JR王子駅前にあり、地域のランドマークになっている。

 区は老朽化対策として2020年、建物の長寿命化やバリアフリー対応などをする改修方針を策定。25~26年に改修し、予算は100億円と見込んだ。

 だが、その後、ロシアのウクライナ侵攻などで、資材などの国際価格が高騰。昨年10月に委託事業者が示した「基本設計」では、190億円かかることが明らかになった。区が予想していた事業費を大きく上回り、いったん計画を断念することにしたという。

 山田加奈子区長は25日の記者会見で「社会状況の変化にともなって、その都度見直しや再検討ができる態勢を区として作っていくことが重要。マイナスな見直しではなく、前向きな見直しだ」と話した。

 区は今後、2年間かけて方針や計画自体を再検討する。ただ、現時点ですぐに必要な改修は進めていくという。

 設計を委託した事業者には…

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