脱線事故の教訓「若い世代へ」 保線担当の社員が携える捜査員の名刺

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瀬戸口和秀
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 乗客106人と運転士が死亡したJR宝塚線(福知山線)脱線事故から、25日で19年になった。JR西日本でも事故後に入社した社員が増え、教訓を伝え継ぐことが課題になっている。ある社員は、当時の捜査員の名刺を常に携えて業務にあたり、経験や思いを若い世代に伝えてきた。

 4月9日午前2時過ぎ、兵庫県尼崎市の事故現場近くの線路では、大粒の雨が降り注ぐ暗闇の中で、大阪保線区設備担当区長の佐藤隆司さん(64)らが点検作業にあたっていた。

 2週間に1度の徒歩巡回。この日は若手社員2人と、ヘッドライトの光を頼りにレールの摩耗やボルトの緩みがないか確認していった。

 佐藤さんは19年前、工事係…

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