増えるタワマン、細る下町の地縁 選挙違反事件の街で「寝る」自民

有料記事東京の政治春の衆院補選2024

中村英一郎 宮野拓也 土舘聡一
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 28日投開票の衆院東京15区(東京都江東区)の補欠選挙は、同区選出の前議員=自民離党後に辞職=による選挙違反事件を受けたものだ。渦中の自民は「不戦敗」。地縁を強みに勝ってきた自民の不在は、街の変化とも相まって、選挙の様相を変えている。

 候補は、同区で過去最多の9人。逆風を受ける自民は擁立を見送った。「もう『逮捕者を出した区』と呼ばせない」「江東区は今の選挙の縮図」――。自民派閥の裏金事件とあわせて、大半の候補が「政治とカネ」問題の批判を繰り返す。

 選挙違反事件は昨年の区長選を巡って起きた。有罪が確定した前議員に対する判決によると、支援候補を当選させる選挙運動の報酬などとして、自民区議ら10人に計280万円を渡したり、提供を申し込んだりした。

 補選で、区議会最大会派を構成する自民の区議は口々に「寝ている(動いていない)」とこぼす。これまでは、町会などの地元組織とともに党の候補を下支えするのが自民の選挙だった。

 江東区は、お台場や、タワーマンションが並ぶ湾岸エリアを抱える一方、町会・自治会など「地縁団体」が東京23区内で2番目に多いのも特徴だ。人口は同8番目。町会の多さを、区の担当者は「昔ながらの下町地域が多いため」と分析する。

江戸三大祭の一つ、「富岡八幡宮 例大祭」がある江東区は、下町情緒の残る地域がある一方、湾岸の埋め立て地には国内有数のタワーマンション群があり、都内でも際だった特徴があります。強かった自民が不在のこの選挙、変化を感じました。

 町会と政治の距離は近い。下…

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