能登へ「先見すえて今から動いて」 大震災を経験した漁師、医師から

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東野真和
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 能登半島地震から4カ月。能登とつながりを持つ東日本大震災の経験者2人に、復興へのアドバイスを聞いた。漁師と医師という立場は違うが、先を見据えて今からやるべきことがあると指摘している。

みんなのためにバカになって動き、ブランド守る

 ●養殖漁師 佐々木淳さん(53)

 私は岩手県大船渡市の小石浜でホタテ養殖をしている。私が岩手県の会長をしている漁業士会の会合が東京であった。石川県の会長に聞くと、地元で漁ができずに県内の別の場所で漁を手伝っているという。海底が隆起したり岸壁が壊れたりと、東日本大震災とは違う先の見えない状態だ。

 取る漁業と育てる漁業の違いはあるが、消費者はいる。交流を深めることが大切だ。私たちは震災前からホタテのブランド化をして消費者と直接つながっていたので激励の声や支援がたくさん来た。「何年たっても待っている」という声に背中を押され、うるさいくらい漁協職員の尻をたたいた。すると動きが早くなって復旧事業が進み、半年あまりで、がれきだらけでほぼ全滅だった養殖漁場の施設が7割復活した。

 2011年3月11日に地震が来た時は、岸から数キロ離れた養殖場所で作業していた。慌てて岸に戻った。沖に出したほうが安全だったかもしれない。船は岸でひっくり返っていたのを見つけたが、幸い船体は無事で修理可能だった。私が組合長を務める大船渡市の小石浜養殖組合は組合員が30人ほど。残った船はわずかだったが12月には共同で養殖を再開した。

 国が経費を肩代わりして決ま…

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