若者争奪に傾いた10年、少子化基調変わらず 振り回された街はいま

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根津弥 黒田早織 中野浩至 田中恭太
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 「少子化の基調は全く変わっていない」

 全国の自治体に衝撃を与えた日本創成会議による「消滅可能性都市」の公表から10年。前回同様に提言を取りまとめた人口戦略会議の増田寛也副議長は24日、東京都内で開かれたシンポジウムで改めて警鐘を鳴らした。

 今回、特に強調されたのは「ブラックホール型自治体」だった。地方からの人口流入を受けながら、出生率が非常に低い東京など25自治体の存在だ。

 そこには10年前の教訓もあった。

 前回の分析を公表した際、世間の注目を集めたのは過疎地域だった。出生率低下は都市部も無関係ではないにもかかわらず、都市部の課題としては十分に受け止められなかった。

 前回の提言に危機感を抱いた政府もこの間、地方創生相を新たに置き、最重要課題の一つとして「地方創生」政策を打ち出してきた。政府の方針を受け、各自治体も定住促進などに力を注いだ。

■「人口減食い止める効果は乏…

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