障害者を常習的に暴行か、施設職員3人逮捕 防犯カメラから容疑浮上

田添聖史 宮坂知樹
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 大阪府岸和田市の障害者支援施設「岸和田光生療護園」で、入所者の男性にそれぞれ暴行を繰り返したとして、大阪府警は25日、いずれも施設職員で20代の男3人を暴力行為等処罰法違反(常習暴行)の疑いで逮捕し、発表した。

 3人のうち2人は容疑を認め、「注意しても聞いてくれず、いらいらがたまった」などと供述。もう1人は「心当たりがない」と否認しているという。

 捜査1課によると3人は今年2月、知的障害がある50代の男性に対し、施設内でそれぞれ複数日にわたって顔を殴ったり、足を蹴ったりするなどの暴行を加えた疑いがある。捜査関係者によると、3人とは別の職員についても同様に暴行を加えた疑いがあるとみて調べている。

 男性は3月4日、施設内で昼食後に意識を失って死亡。病死と診断され、火葬されたという。その後、男性の家族が意識を失った状況を確認したいと施設側に求め、防犯カメラの映像から職員による暴行の疑いが浮上した。府警は、暴行と男性の死亡との因果関係について現時点では認められないとしている。

 ウェブサイトによると、施設は定員99人で短期入所やデイサービスなどを受け入れている。運営法人の担当者は取材に「(男性の)家族には大変申し訳ない。再発防止に向けてきっちり調査していく」と話した。

 厚生労働省によると、2022年度に確認された障害者施設での虐待は956件に上り、3年連続で過去最多を更新。「倫理観や理念の欠如」「職員のストレスや感情コントロールの問題」「人員不足や人員配置の問題及び関連する多忙さ」が主な原因として挙がっている。(田添聖史、宮坂知樹)

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