人口120万人でも「家裁空白地」 出張所求める地元の切なる願い

有料記事

松浦新
[PR]

現場へ 家裁のリアル①

 3月下旬の夕方、神奈川県藤沢市のJR藤沢駅北口に弁護士6人が集まり、ビラを配って署名を呼びかけていた。のぼりには「私たちの街に家庭裁判所を!」。

 家裁は離婚や相続など身近なトラブルを扱う。存在は知っていても、ちょっと縁遠い存在だと感じている人は多いだろう。

 近年は高齢化で、認知症の人を支える成年後見制度の利用なども増えている。

 全国の家裁が2022年に新たに受理した事件は、全体で約115万件。20年前の1.8倍に上る。

 家裁は全国に本庁が50カ所、支部が203カ所ある。裁判官が出張して調停などを扱う出張所も77カ所設けられている。

 いま藤沢市には少額訴訟などを扱う簡易裁判所はあるが、家裁は支部も出張所もない。管内の茅ケ崎市海老名市など5市1町の住民は約120万人。家裁を利用するには、20キロ以上離れた横浜市の本庁まで行かないといけない。

 管内の人口が100万人を超えるようなエリアで出張所もないところは異例だ。

 神奈川県弁護士会は藤沢市に…

この記事は有料記事です。残り826文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません