全ての部活を廃止 選択肢狭まる中で考えた形 「子どもに応えたい」

有料記事部活改革

中小路徹 藤田絢子

 4月10日午後7時。静岡県掛川市の大須賀中に、中学1年を中心に男子10人が集まった。

 まもなく正式に発足するFC掛川South(サウス)。3月から体験会と練習をスタートさせている。

 掛川市では、2026年8月に市内の中学校のすべての部活動を廃止し、平日を含めて地域クラブに移行させる計画で、このクラブは先行して創設された。

 市内南部にある三つの中学にはサッカー部がなく、少年団でサッカーをしていた子が、中学でやむなく他競技の部に入る事例が少なくなく、地域クラブ創設の希望が出ていた。

 活動は、水、金曜の夜と土日のどちらか。地元の少年団のコーチたちが指導する。「小学時代から引き続き、指導できるのがいい。中学ではサッカーをやめる気でいたのが、このクラブができると聞いて、入ってきた子もいる」と、コーチの1人の斎藤智美さん(50)は話した。

 掛川市が部活動の地域移行を推進する理由の一つに、子どもたちのニーズに応える環境づくりがある。

 昨年、市内9校の部活動の数…

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    末冨芳
    (日本大学文理学部教授)
    2024年5月7日11時30分 投稿
    【視点】

    【放課後活動も子どもたちの選択の保障と無償が理想/教員が過労死ラインを超えない学校に】掛川市や周南市の挑戦、双方に共通するのが、子どもたちの放課後に可能な限り豊かな選択肢をということです。勝利至上主義だけじゃなく、エンジョイ志向の放課後活動

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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2024年5月7日21時0分 投稿
    【視点】

    今話題の「部活の地域移行」の議論にまったくついていっていない私ですが、納得感を持って記事を読みました。少子化や指導者、価格、ロジスティクスの問題で、もちろんすべての希望には応えられず、機会がなくなっていく競技も多々あるでしょう。マイナースポ

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