保険契約なら新車やスーツ購入? 損保業界の「本業支援」是正可能か

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柴田秀並
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 損害保険業界には大型の保険契約を獲得するため、契約先企業の商品やサービスを購入する「慣行」がある。相手の本業を助けることから「本業支援」と呼ばれる。昨年発覚した企業保険をめぐる大手損保4社のカルテル疑惑をきっかけに、業界や金融庁は是正に動くが、企業からの要求がなくなるかは不透明だ。

 「継続的な新車台数コミット(約束)」

 昨年12月、日産自動車が大手損保各社に送った依頼資料を見て、ある損保の幹部は驚いた。日産はこのとき、自社グループで扱う自動車関連の保障サービス「日産カーライフ保険プラン」の開発に関して、入札を実施すると各社に伝えた。その「参加条件」として、日産の自動車を、損保の社用や社員の自家用として何台購入するか、具体的に示すよう求めていた。

 複数の関係者の証言や、朝日新聞が入手した日産の損保各社への依頼資料には「(保険契約の)シェア1%あたりでの自主目標をご回答ください」と記されてあった。入札の参加条件には「損保会社コールセンター対応」などとともに「車両紹介」も明記されていた。

 朝日新聞の取材に、日産は損保に対し車両を購入する自主目標を求めていたことを認め、「入札参加の条件にしていない」「(今後は)求めることはしない」などと回答している。

 大手損保4社は同じころ、企…

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