河村市長「祖国のため命捨てるのは道徳的行為」 会見で持論、釈明も

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寺沢知海
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 名古屋市河村たかし市長は22日、市が条例で定めた「なごや平和の日」の意義を問われ、「(戦争で)死んでいった人たちに思いを寄せないといけない」と述べたうえで、「祖国のために命を捨てるのは高度な道徳的行為だ」と発言した。

 河村氏はこの日の記者会見で、空襲名古屋城天守が焼失した5月14日を「なごや平和の日」に制定し、平和を祈念する式典を開催すると発表した。その際、戦闘が続くウクライナパレスチナ自治区ガザに言及。「国に命を捧げるのは、大変勇気のあること。『サンキューベリーマッチ』と言わなきゃ、みんなの福祉も平和も保てないんじゃないんですか」と持論を展開した。

 さらに、学校現場でもこうしたことを「一定は考えないといけない」と主張。「国が守られるのは当たり前であるとの考え方は、日本にものすごい不幸を導く」と強調した。

 ただ、河村氏は会見終了直後、記者団に「(命は)捨てない方がよい。誤解してもらってはいけない。『捨てよ』とあおっているわけではないが、残念ながら戦争は起こる」と釈明した。(寺沢知海)

     ◇

 河村たかし名古屋市長と記者団の記者会見での主なやり取りは次の通り。

 ――「なごや平和の日」を名古屋城が炎上した5月14日に制定したことについて。

 「うちのお袋も言っていたけ…

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    本田由紀
    (東京大学大学院教育学研究科教授)
    2024年4月23日7時24分 投稿
    【視点】

    戦史研究によれば、太平洋戦争において亡くなった230万人の日本軍兵士の多くは、戦地への補給路が整っていなかったことによる餓死や病死、自決などであった。当時、国は国民を戦争に動員し、そして見殺しにしたのである。 見殺しにされた兵士を悼むことと

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年4月24日17時19分 投稿
    【視点】

    安全地帯にいる者が、他人の犠牲を自己主張の正当化に使うべきではない。他人に死ぬことを命じる可能性がある立場の者は、なおさらである。

    …続きを読む