弾圧逃れ潜伏…自らを撮ったミャンマー人監督の映画公開「惨状見て」

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 ミャンマー国軍に追われ、潜伏生活を送る映画監督が自らの姿を撮ったドキュメンタリー映画「夜明けへの道」が、27日から全国で順次公開される。製作者はミャンマーの著名な監督・俳優のコパウ氏(49)。公開を前に、朝日新聞の取材に応じた。

 作品は、コパウ氏が自らを撮影し、語るシーンを軸に進むセルフドキュメンタリーだ。2021年に起きた国軍のクーデター前の日常から始まり、クーデター後に参加した抗議デモの様子、民主派武装勢力「国民防衛隊(PDF)」に加わって、抵抗を続けるまでの動静が映し出される。

 政変までは「毎日が自由で幸せだった」と言う。だがデモを先導したとして国軍に指名手配された。最大都市ヤンゴンで知人宅を転々とする自分。悪路を越え、命からがら民主派支配地域へと逃げる自分。国軍に「捕まったら終わり」だが、危険を承知でカメラを回す、緊迫感が伝わる場面が続く。

「日本人として、国軍を容認するのか」

 クーデター後に始まった国軍と抵抗勢力の武力衝突、そして国軍による市民の弾圧は今も続く。ミャンマーの人権団体・政治犯支援協会(AAPP)の推計では、これまで約4900人の市民が死亡した。

 撮影を続けるのは、ミャンマ…

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    市原麻衣子
    (一橋大学大学院法学研究科教授)
    2024年4月23日15時10分 投稿
    【視点】

    先行して映画を拝見しましたが、潜伏生活の厳しさが非常によく分かる、臨場感溢れる映画です。ウクライナやガザについては報道も多いのに対し、ミャンマーについては現場レベルの報道ができない状況です。そうしたなか、国軍に追われる監督が自らを撮り続け、

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