ネトフリ「三体」中国でも話題 コメント欄閉鎖に「負の歴史」影響?

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瀋陽=金順姫 北京=井上亮
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 動画配信大手ネットフリックス(ネトフリ)が配信した、中国の人気SF小説「三体」を実写化したドラマについて、中国のレビューサイト・豆瓣のコメント欄が4月中旬に閉鎖された。ネット上では中国を混乱に陥れた文化大革命(文革)に関するシーンが原因なのではないかという見方が出ている。

 「三体」は、中国人作家の劉慈欣さんが手がけたSF小説。文革で父を亡くした女性科学者が宇宙に向けて送った電波が「三体人」と呼ばれる異星人に届き、人類の危機を招くというストーリーだ。

 小説はSF界の最高峰の賞である「ヒューゴー賞」を受賞した。中国で大ヒットし、様々な言語で翻訳されている。実写ドラマはすでに中国のテンセント版が制作され、日本ではWOWOWで昨年10月から配信されていた。

 今年3月下旬に配信が始まったネトフリ版は舞台を欧米にして、登場人物たちの国籍や人種も多様にしたのが大きな違いだ。各国で人気を呼び、配信されていない中国本土でもレビューサイトやSNSで話題になっていた。

コメント欄なぜ閉鎖? 中国でネトフリ版支持の声も

 しかし、レビューサイト・豆…

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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2024年4月22日0時26分 投稿
    【視点】

    ネトフリ版の《三体》冒頭の文革シーンは衝撃的だった。ものすごい人数の群衆が科学者を吊し上げ、殴り、足蹴にし、殺戮する。その間、15分間ぐらいだろうか、その残虐で粘着質的な暴力の描写は、少なくともぼくの脳内にある文革のイメージを鮮やかに具現

    …続きを読む