障害ある人と無い人「線引きは難しい」 分離された特別教育の改善を

有料記事楽問のススメ

聞き手・本多由佳

【楽問(がくもん)のススメ】

 学校、趣味、学び直し……。「学ぶ」「教える」の現場にいる方に取り組みや魅力を聞きます。今回は障害のある子どもと無い子どもが共に学ぶ「インクルーシブ教育」を研究する東京大の小国喜弘教授です。

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 我々は、障害のある人と無い人をあたかも分けられるかのように思っていますが、その線引きは実は難しいものです。

 文部科学省は、小中学校でのインクルーシブ教育について、通常学級や通級指導、特別支援学級特別支援学校など「連続性のある『多様な学びの場』を用意しておくことが必要」としています。しかし、国連は2022年、分離された特別教育をやめるよう勧告しました。

 幼い頃から分離されると、大人になる過程で「障害者」というアイデンティティーを持つことにつながります。また、障害のある子どもがいる保護者は「なぜ私たちだけが、子どもが学ぶ場所を選択させられるのか」との思いを持ちます。

 日本では長らく、障害は「医…

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    武田緑
    (学校DE&Iコンサルタント)
    2024年4月23日7時25分 投稿
    【視点】

    非常に重要なご指摘だと思います。インクルーシブ教育というと「障害のある子たちのことだよね」「支援学校にいる子たちと通常学級にいる子たちが交流したり共に学ぶこと」・・・というイメージを持つ方も多いと思いますが、小国さんもおっしゃっているように

    …続きを読む