イスラエルがイランに反撃、攻撃の規模は限定的か 米報道

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エルサレム=根本晃 テヘラン=佐藤達弥
【動画】イランのイスラム革命防衛隊が公開した、イラン上空に閃光(せんこう)が走る映像=ロイター/アイプレス
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 米メディアは、イスラエル軍が19日にイランを攻撃したと一斉に報じた。イスラエル軍は発表しておらず、情報が錯綜(さくそう)しているが、イランがイスラエルに実行した大規模攻撃への反撃とみられる。イスラエルによるとみられる在シリアのイラン大使館空爆をきっかけに始まった敵対する地域大国の直接攻撃の応酬によって、中東の混迷が一層深まることが懸念されている。

 イラン国営メディアなどは19日早朝、イラン中部のイスファハン州にある軍の基地周辺と、北西部の都市タブリーズで爆発音が聞こえたと速報。イラン宇宙関連当局の報道官は、防空システムが複数のドローン無人機)を撃墜したと説明したという。CNNなど主要な欧米メディアは、米当局者の話としてイスラエルがドローンを発射したと報じた。英BBCは、米当局者の話として、イスラエルがミサイルも発射したと伝えた。

 死傷者は現段階で確認されていない。イラン国営メディアは、イスファハン州にある核施設は「無事」と伝えた。同州のナタンズにはウラン濃縮施設などがあるが、国際原子力機関IAEA)も、X(旧ツイッター)への投稿で「イランの核施設に被害がないことを確認している」と明らかにした。

 イスラエルは攻撃を実行したか明らかにしていないが、米紙ワシントン・ポストは、イスラエル当局者が攻撃を認めたと報じた。

 米国のブリンケン国務長官は19日、イタリア南部カプリ島で開かれていた主要7カ国(G7)外相会合閉幕後の記者会見で「報道されている出来事については話さない」とした上で、「米国はいかなる攻撃作戦にも関与していない。主要7カ国(G7)全体として事態のエスカレートに歯止めをかけることに注力している」と話した。

 ロイター通信によると、イラン政府高官はイランが即座に報復する予定はないと話したという。

 今回の攻撃の規模は限定的とみられ、イスラエルがイランに対し、警告する意味合いが強いとの見方が広がっている。

 米紙ニューヨーク・タイムズ

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