「必ず立ち上がれる」 東日本大震災の伝承施設、復興の歩みに軸移す

有料記事

山浦正敬

 東日本大震災から13年を経て、伝承施設が相次いで新しい記録や証言映像を公開した。時間とともに、見学者の関心が被災の体験から復興の歩みに移っていることが背景だ。テーマは「そのとき」から「そして」へ。軸足が移りつつある。

 宮城県南三陸町の311メモリアルは3日、3本目となる新しい映像の公開を始めた。教訓を学ぶ館内プログラムで活用する「いのちを想(おも)う」(約45分)。復興に向けた被災者の取り組みや地域産業の核である漁業の再生に焦点を当てた。

 震災当時、小中学生だった3人が映像の中で証言し、犠牲となった家族への思いを大切にしながら成長してきた日々、落ち込んだ気持ちを前向きに切り替えられたきっかけを振り返る。漁の道具を全て失った漁師たちが協力しながら、カキ養殖を震災前より発展させた再生の流れも紹介する。

 2022年10月の開館時から流していた2本の映像の焦点は「生死を分けた避難」「そのとき命が守れるか」で、地震直後の被災体験が中心だった。これまでの来館者は延べ20万人近くに上る。

復興に努力した被災地の歩みも「教訓」

 今回の映像でも、避難所に指…

この記事は有料記事です。残り801文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません