相生通りの歩道を広げ、憩いの場に まちづくり団体が広島市に提言

柳川迅

 広島市中区の紙屋町・八丁堀地区の事業者などでつくるまちづくり団体「カミハチキテル」が17日、同地区とJR広島駅を結ぶ相生通りの「トランジットパーク」構想についての提言書を市に提出した。

 トランジットパークとは、一般の自動車乗り入れを制限し、歩行者と路面電車などの公共交通機関のみが通行できる、公園のような道路空間を表す造語だ。構想では、車道が大きな面積を占める相生通りの歩道を段階的に拡幅する。街路樹を増やし、ベンチやオープンカフェを設置するなどして、単に通行するだけでなく大勢の人が滞在できる空間をつくる。相生橋から稲荷大橋の約1.5キロの区間を想定する。

 提言書では、都心を訪れる人が増えることで大きな経済効果を生み、人口流出対策にもなると説明。完成は2030年以降を目指すとした。市にはカミハチキテルを中心とした官民連携の協議会を設け、段階的に進めるトランジットパーク化による効果を検証することなどを求めた。

 この日は市役所で、若狭利康代表(68)が松井一実市長に提言書を手渡した。若狭代表は「実現すれば、広島市全体がステージアップすると思う」とあいさつした。終了後には報道陣の取材に「市長からは『1カ所だけよくなってはだめなので全体を考えた上で、紙屋町・八丁堀地区のことも考えていかないといけない』という話があった。手応えはあった」と話した。

 「カミハチキテル」の「カミハチ」は紙屋町と八丁堀を、「キテル」は「来てる」と「キテる」(注目されている)を意味している。17年に始まった地元の商業者有志の勉強会が起源で、20年5月に設立された。現在約60団体で構成し、県と広島市も加わっている。(柳川迅)…

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