よぎった死、子が泣き我に返った 新潟水俣病訴訟判決、原告の記憶

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鈴木剛志
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 水俣病の救済策をめぐり、各地で起こされた「ノーモア・ミナマタ2次訴訟」。その新潟訴訟の判決が18日、言い渡される。2013年12月の最初の提訴から10年4カ月。149人の原告のうち、この日に先行して判決が言い渡される47人の平均年齢は77.2歳。「生きているうちに解決を」――。判決に向けた原告の思いを紹介する。

 「死のうかな……」

 40代だったある日。加藤シズ子さん(82)は子どもたちを前に、そうつぶやいた。

 思うように動かない手指。消えないしびれ。ふらついてまっすぐ歩けない。だから仕事は失敗ばかりで長く続かない。離婚して、頼れるパートナーはいない。先が見えなかった。

 「母ちゃん、死ぬなよ」。泣き出す子どもたちの言葉で、我に返った。

 阿賀町の山あいにある集落で…

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