PFAS沖縄全域の土壌に、なぜ 識者「全国どこでも汚染の可能性」

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棚橋咲月
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 有害な有機フッ素化合物(総称PFAS〈ピーファス〉)が、沖縄県全41市町村の土壌から検出されたと県が発表した。汚染源とみられている米軍基地がない自治体でも検出されたのはなぜなのか。私たちの身の回りの土壌にも存在しているのか。PFASに詳しい京都大・原田浩二准教授(環境衛生学)に聞いた。

 ――3月に県が公表した土壌調査では、米軍基地がない「一般的な土地」からも高い値が検出されました。なぜでしょうか。

 PFASは既に製造が禁止されていますが、倉庫に保管されるなどして残っている場合もあります。例えば、立体駐車場で使われることが多い泡消火剤です。撥水(はっすい)加工をしたフライパンや水をはじくアウトドア用のアウター、同じく水をはじく塗装がされた自動車でも使われてきました。

汚染源はどこにでも

 そうしたものがはがれ落ちたり、雨に溶けたりして、河川や土壌に流れます。揮発性のPFASが大気中に浮かんで、土壌に落ちることもあります。全国どこにでも存在している可能性があるのです。

 ――全国でも河川の調査は行われていますが、土壌調査はあまり例がありません。どんな調査をするのでしょうか。

 沖縄県が今回実施したのは、採取した土壌の成分を水に溶かし、1リットル中の化学物質の量をはかる方法です。環境省が暫定手法のひとつとして昨年提示しました。

 PFASはもともと、自然界には存在しません。どこかに汚染源があれば、土壌にも流入している可能性は高いです。

 懸念されるのは、地下水への…

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