韓国の「安全不感症」、今も セウォル号沈没10年、問われる意識

有料記事

安山=太田成美
[PR]

 韓国で修学旅行中の高校生ら300人超が死亡・行方不明になった旅客船セウォル号の沈没事故から10年となった16日、各地で追悼行事がおこなわれた。薄れゆく事故の記憶を伝え、再発防止を訴える取り組みが続けられる一方、安全意識の向上が今も社会の課題として残っている。

 犠牲者の多くが通っていた高校のあるソウル近郊の京畿道安山(キョンギドアンサン)では16日、追悼の「記憶式」が開かれた。遺族や市民ら数千人が参加。「絶対忘れない」との歌詞の歌を合唱した。薬剤師を目指していた娘(当時16)を亡くした朴貞花(パクジョンファ)さん(57)は「一番悲しい日だ。でも多くの市民に慰められ、また1年を耐えぬく力になる」と話した。

 一部の遺族らは南西部の珍島(チンド)沖の事故現場の海域で献花をおこない、2017年に引き揚げられたセウォル号の近くであった追悼の式典に参加した。

さびた船体、語り継ぐ記憶

 セウォル号は、南西部の木浦…

この記事は有料記事です。残り976文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません