「20億円いらん」? 核ごみ文献調査受け入れ、浮上した新ロジック

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森田博志 岡田将平 添田樹紀
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 「核のごみ最終処分場をめぐり、文献調査を受け入れるよう地元3団体から請願が出された佐賀県玄海町。朝日新聞の取材では、町議10人のうち少なくとも7人は賛成しており、請願は採択される可能性が高い。文献調査を受け入れれば最大20億円の交付金を得るが、町議会内では「20億円は要らんと言おうか」との声もあるという。ではなぜ、受け入れに動くのか。

 請願は、町旅館組合と町飲食業組合、町内の建設業者11社でつくる町防災対策協議会が1~3月に提出した。4月15日、町議会が原子力対策特別委員会にこれらの請願の審査を付託したことで、初めて一連の動きが表面化した。

 翌16日には早速、佐賀市の県庁で原子力発電環境整備機構(NUMO)の広報担当幹部が記者説明会を開催。経済産業省が全国の適地を示した「科学的特性マップ」では、玄海町は適地とされなかったが、「地下に石炭があるためだが、全域がそうかは調査しなければ分からない。文献調査を妨げるものではない」と説明した。

 17日には町議会特別委でNUMOが説明し、22日の週にも町議会は請願を採決する見込み。町議の1人は、5月の連休明けに町長が受け入れの是非を表明する最短スケジュールを描く。脇山伸太郎町長は従来「町のほうから調査に応募する考えはない」と文献調査に慎重だったが、町議は「『議会の意見を聞いて判断する』と言っている。変わってきた」と自信をにじませる。

佐賀県唯一の不交付団体・玄海町 北海道2町村と対称的な台所事情

 現在、国内で文献調査に応じ…

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