カメラを回せ、阿蘇神社復興を追った8年 帰省中に熊本地震遭遇

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城戸康秀
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 熊本地震の本震から8年となった16日午前、熊本県阿蘇市阿蘇神社前で市職員らが追悼式を開いた。その神社の復興をカメラで追い続けた男性がいる。東京でテレビ番組をつくっていたフリーディレクターだったが、帰省中に震度6弱の揺れに遭遇、崩れ落ちた「故郷のシンボル」にスマホを向けたのが始まりだった。

 中島昌彦さん(42)は「ずっと阿蘇で過ごす人生」が嫌で、熊本市内の高校に進学。米国の大学で映画を学び、帰国後はテレビ番組の制作を手がけた。地震が起きた時、長く関わった映画番組に区切りがつき、休みを取って帰省中だった。実家は阿蘇神社宮司の阿蘇家にゆかりのある旧家。妻の麻奈さん(40)と結婚式を挙げた神社は、一緒にくぐった楼門も拝殿もぺしゃんこにつぶれた。

 「何か手伝えんか」と父に促され、社務所に出向くと、職員が被災状況や寄付についての問い合わせ対応に追われていた。ホームページづくりやSNSの活用を神社側に勧め、自らも発信する映像を撮り始めた。

 テレビ局で過ごしながら、実…

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