イランの報復防げなかった米国 弱腰批判のバイデン政権にまた難題

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ワシントン=合田禄 下司佳代子
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 イランが自国大使館への攻撃をめぐり、イスラエルへの報復に踏み切った。イスラエルとイスラム組織ハマスの戦いが地域全体に波及し、イランとの戦争に巻き込まれることは、米国が最も避けたいシナリオだ。だが、今回のイランの攻撃を未然に防ぐ外交努力は失敗した。再選をかけた大統領選が11月に迫る中、弱腰との国内批判をかわしながら紛争拡大をどう防ぐのか。バイデン政権は難題に直面している。

 「イスラエルは前例のない攻撃であっても自国を防衛し打ち負かす能力があると示した。イスラエルの安全は脅かせないという明確なメッセージを敵に送った」

 バイデン米大統領は13日夜の声明で、イスラエルのネタニヤフ首相との電話協議でこう称賛したことを明かした。中東に展開する米軍は、イスラエルを狙ってイラン、イラクシリアイエメンから発射されたドローン無人機)やミサイルによる計数十の攻撃を迎撃した。「ほぼ全てのドローンとミサイルを撃墜するのを助けた」とした。

 バイデン氏は週末を過ごすはずだったデラウェア州の別荘から13日午後に急きょホワイトハウスに戻り、国家安全保障チームとの会合を開いた。14日には主要7カ国(G7)の首脳との緊急協議を設定し、イランへの「統一的な外交対応」を調整するという。

報復思いとどまらせるため、重ねた外交努力

 イスラエルが1日にシリア・ダマスカスのイラン大使館を攻撃し死傷者を出した後、米国はイランが報復攻撃を準備しているとして警戒してきた。現地の米軍の保護と抑止力の強化を図るため、過去1週間の間にミサイル防衛システムを備えた駆逐艦や航空機を中東地域に派遣。これが迎撃に役立ったという。

 並行して、イランに報復を思…

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