橋本龍太郎元首相のいとこの元外交官が語る「辺野古が唯一」の意味

有料記事「沖縄」を考える 代執行

聞き手・上地一姫
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 元外交官の橋本宏さん(82)は、いとこの橋本龍太郎・元首相が、米軍普天間飛行場沖縄県宜野湾市)の返還を米側に提案した1996年の日米首脳会談に外務報道官として同行し、沖縄に関わることになりました。返還合意から28年。朝日新聞の取材に応じ、普天間辺野古問題の打開策を語りました。

はしもと・ひろし 

東京生まれ。在ワシントン大使館などに勤務。橋本龍太郎元首相が普天間飛行場の返還を提案した1996年の日米首脳会談に外務報道官として同行。2001年から2年間沖縄担当大使を務めた。退官後、私的ボランティア組織「沖縄歴史認識懇話会」を立ち上げるなど、執筆や講演などを続ける。橋本元首相のいとこ。

 不確実性の増す国際情勢や中国の状況を考えると、沖縄の地理的重要性はますます高まっています。一方、北海道はロシアに、本州の日本海沿岸はロシアや朝鮮半島に、九州は朝鮮半島や中国に、沖縄は中国や台湾に面している。それぞれ重要な地政学的位置を占めており、沖縄だけが日本の安全保障にとって重要な位置を占めているわけではありません。

 辺野古移設は、日米間で何度も合意してきた経緯などを踏まえると、普天間飛行場の早期返還という目的達成のためにはやむを得ないと考えます。ただ、「辺野古が唯一の解決策」というのは、できのよくない表現です。「唯一」は最も有力な解決策という意味しか持ちえず、また、唯一の政治的解決策であったとしても、唯一の軍事的解決策ではない。県民の心に届かないばかりか、「唯一」と繰り返すたびに、県民は生傷に塩をすり込まれるような思いをし、その痛みといらだちは強まります。

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