流水型で動き出す川辺川ダム 熊本知事の環境評価は「極限まで配慮」

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杉浦奈実
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 熊本県南部・球磨川水系の川辺川への流水型ダム建設を巡り、熊本県は12日、ダムの環境への影響や保全についての蒲島郁夫知事の意見書を国に出したと発表した。「環境に極限まで配慮されたもの」と評価している。国が公表した「環境影響評価準備レポート」に対するもので、国が行う環境影響評価法に準じた環境アセスメントの手続きの一環で知事が意見を出す最後の機会で、地元の同意を経て本体着工に弾みがつく見通しだ。

 流水型ダムは、下部に放流口を設けて普段は川の流れを止めず、大雨のときだけ水をためて洪水を防ぐものだ。意見書は、流域12市町村や公聴会の意見も踏まえて作成。安全性を検証するため一時的に水をためる際に環境への負荷を減らす方法を検討することや、住民に丁寧な説明をすることを要望。積極的に良好な環境の回復をはかる「ネイチャーポジティブ」の観点の必要性も記した。

 ダム計画は、利水と治水の課…

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