障害の特性に応じた処遇で再犯を防げ 変わる刑務所、現場を訪ねて
鳥尾祐太 杉江隼 久保田一道
懲役と禁錮を一本化した「拘禁刑」が来年6月に導入される。受刑者の「懲らしめ」から「立ち直り」に重点が置かれるようになる。昨年11月、それを先取りする形で、障害がある若い受刑者の処遇に特化した全国で初めての刑務所で収容が始まった。刑務所は、どう変わろうとしているのか――。現場を訪ねた。
千葉県市原市のJR五井駅から車で約20分。中心市街地から離れた緑豊かな土地に市原青年矯正センターはあった。
【動画】障害がある若い受刑者の処遇に特化した全国で初めての刑務所。記者が訪ねた=杉江隼撮影
廊下に並んでいる個室に、鍵はない。自由に行き来できる「半開放寮」で、時間管理も自分で担う。鍵が付いた部屋で生活し、時間ごとに号令がかかるような「閉鎖寮」の刑務所とは違い、環境を一般社会に近づけることで、出所後に自立した生活を送れるようにする狙いがあるという。
対象は、知的障害や発達障害…