ウクライナ各地のエネルギー施設に深刻な被害 ロシアが大規模攻撃

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 ロシア軍は11日未明から朝にかけ、ウクライナの広い範囲でエネルギー施設を標的にした大規模なミサイル、ドローン(無人機)攻撃を行った。ウクライナの政府系民間電力会社「ツェントルエネルゴ」によると、ウクライナ中部で最大の同社の火力発電所「トリピリスカ火力発電所」が完全に破壊され、国営送電会社「ウクルエネルゴ」も北東部ハルキウ州、中部キーウ州、中南部ザポリージャ州、南部オデーサ州、西部リビウ州の5州で変電所などが被害を受けたと明らかにした。

 各地で被害を受けた施設の火災の消火と復旧作業が続いている。「ツェントルエネルゴ」社は3月22日にもハルキウ州の火力発電所を破壊されており、11日の攻撃ですべての発電能力を失ったという。ウクライナ最大の民間電力会社「DTEK」も11日、2カ所の火力発電所が深刻な被害を受け、復旧を急いでいると発表した。ロイター通信はDTEKも各地の施設が3月22日と29日に激しい攻撃を受け、すでに発電能力の80%を失っているとした。

 クリメンコ内相は11日の攻撃では死傷者は出ていないとしている。

 ロシア国防省は11日、高精…

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    服部倫卓
    (北海道大学教授=ロシア・東欧)
    2024年4月12日9時25分 投稿
    【解説】

    今般のロシアの空爆によるウクライナの電力インフラ被害は甚大で、まだ被害の全容が把握できない。 国営送電会社「ウクルエネルゴ」は、需要家・消費者に節電を呼びかけ、また産業企業には可能な限り自家発電に切り替えるよう要請した。 また、シュミハリ首

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